コラーゲンケーシング

<コラーゲンケーシングとは?>

コラーゲンケーシングというものを、ご存知でしょうか?

コラーゲンケーシングとは、ソーセージの皮の一種です。コラーゲンケーシングでできたソーセージの皮は、コラーゲンにセルロースを混ぜて、少しグリセリンを加えて作られています。コンビニエンスストアーで売られているフランクフルトの皮の部分を思い浮かべると、わかりやすいでしょう。

コラーゲンケーシングのソーセージは真っ直ぐなのが特徴です。天然羊腸は曲がっており、さらに端が結んであるため、違いが分かります。また、天然羊腸の方が最初にかじった時のパリット感が強いですね。

コラーゲンケーシングのコラーゲンの原料は、ウシの皮が使われています。皮革製造の際に革の厚みを均一にするためにスプリット(分割)という作業工程があります。そこで削り取った皮の部分を利用して、サラミ用ケーシングとして販売したのが最初です。学生時代のビールのお供でした。

日本人好みの小さなサラミは、紙で覆っているイメージが強いですが、通常のサラミはコラーゲンケーシングの場合が多いですね。保存食向けの食品包装材で、通気性が良いことから燻煙処理をすると、日持の向上が期待できます。本当にエコです。

 

<ソーセージの歴史と技術の進化>

ソーセージの語源は、ラテン語のSALSUSで、英語のSALTEDに相当します。すなわち、塩を意味するSAUおよび雌豚を意味するSAWとスパイスのSAGEを組み合わせて言葉が作られたといわれています。(バスコダ・ガマが胡椒を求めてインドに到達したのは有名な話ですよね)。

4世紀の時点で、ギリシャでソーセージは一般的な食品になっており、11世紀の十字軍の遠征で世界に普及しました。その結果、ウィーン(スイス)、フランクフルト(ドイツ)、ボローニア(イタリア)などの地域の名前を冠したソーセージが出来たといわれています。また、ホットドックの始まりは、アメリカでソーセージを売っていたドイツ人が熱々のソーセージを売り出すことを思いつき、持つためにパンに挟んで発売したのが最初のようです。

日本では、ウィンナーは20mm未満、フランクフルトが20~36mm、36mm以上をボローニアソーセージと規定しています。内容物やケーシングに規定は無いようです。赤いウィンナーをタコの形に切ると、子供さんは喜びますよね。この赤ウィンナーは日本人が開発したもので、肉の発色が上手くいかなかったため赤く色を付けたという話です。

そういえば、魚肉ソーセージも日本初ですね。ビキニ環礁での水爆実験の影響でマグロが売れなくなり、余ったマグロを加工したのが魚肉ソーセージの始まりです。この加工技術は本当にすごくて、室温で販売可能になっています。

魚肉ソーセージの包装は「ロケット包装」というものです。チューブフィルムに食品を充填し、円筒状になったものの両端をアルミワイヤーで結索(クリップ)して、絞った形状をしています(現在は、両端を超音波で留めるエコクリップに代わっています)。この「ロケット包装」はレトルト殺菌によってフィルムを収縮させる構造です。収縮すると内容物からの離水を防ぐことから、常温流通が実現できました。

フィルムと肉質の密着度の度合いは、微生物汚染を防ぎ、内容物を効率的に得られるかどうかを左右します。理想の密着度は、フィルムを剥がした時にフィルム側全体に、ごく薄く内容物が付着する程度が望ましいということです。本当に日本の技術は素晴らしいですね。