読者の皆様は、コラーゲンというと何を思い浮かべるでしょうか?
「食べると肌がぷるぷる!」「化粧品に入っていますよね」「美容に良いですよね」、など美容系の素材のイメージが強いと思います。しかし、ゼラチンもコラーゲンのくくりに入れれば、美容関係のみならず、コラーゲンをあらゆる場面で目にしていると言えます。たとえば、皮(かわ)を鞣した革(かく)の靴などの製品、グミ、ゼラチンやマシュマロなどの食品、魚や肉の煮凝り、など。身近な存在ではありますが、自己主張が強くない(まるで自分のようです)のがコラーゲンです。なんとなく、どこにでもいる感じですね。
一口でコラーゲンといっても動物の種類、部位や製造の仕方で使用方法が異なってきます。料理の前菜としての煮凝りも、コラーゲンが変性したゼラチンです。形態も様々で、粉、ゼリー、煮凝り、にべ、にかわ、これら全てがコラーゲンとその変性物のゼラチンです。
あるテレビ番組でコラーゲンの解説を行った時、「食べた時や化粧品としての効果」について触れました。その時に、問題視されたのが、『コラーゲンは年齢とともに減少するので、補わなければならない』というのは本当でしょうか?という事です。
『コラーゲンはたんぱく質なので、たんぱく質を食べていればコラーゲンも補われるはずである。』というのがこれまでの答えでした。しかし研究が進んだ結果、コラーゲンを摂るとコラーゲン独自のペプチド(アミノ酸が複数結合したもの)が吸収され、体中の細胞に作用してコラーゲンやヒアルロン酸(粘性、保水性の高い糖)を積極的に作ることを命令している、というのが明らかになったのです。
これまで、コラーゲンはエセ化学と言われたこともありますが、この時点がターニングポイントになり、コラーゲンの認知度が高まったと思います。それまでは、学会などでも権威ある先生方から、お叱りを頂いていました(今は、随分と楽になりましたが)。
化粧品にコラーゲンが入っている理由は、保水効果を期待しての事が大きいです。しかし分子量(大きさ)の小さなコラーゲンが登場してからは、皮膚吸収を期待した商品も売られています。化粧品業界では、分子量500説というのがあります。500より小さければ皮膚中に浸透するという説です。分子量が500より小さければアレルゲン(抗原)にもならないので、直接、皮膚の細胞に作用する事も期待できるのかもしれません。
こんな感じで、コラム的にコラーゲンの話を進めていきたいと思います。